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2015年3月28日 (土)

芥川龍之介 河童の佇まい

芥川龍之介 河童の佇まい

わたしの最も近い書棚(すぐに手にできる場所)に、芥川龍之介全集が置かれています。この全集は、昭和二年に岩波書店から発刊されています。同年七月二四日が、芥川龍之介の命日(自殺)ですから、編集作業は生前から既に進められていたのかも知れません。
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 久米正雄に宛てたとされる遺書「或旧友へ送る手記」の中では自殺の手段や場所について具体的に書かれ、「僕はこの二年ばかりの間は死ぬことばかり考へつづけた」とあります。死の前日、芥川は室生犀星を訪ねています。しかし、犀星は留守でした。犀星は、「もし私が外出しなかったら、芥川君の話を聞き、自殺を思いとどまらせたかった」と、悔やんでいたという。また直前に、「橋の上ゆ胡瓜なくれは水ひびきすなはち見ゆる禿の頭」と書き残しています。この「禿の頭」、言うまでもなく「河童」のことです。「人間社会(実社会)」と、芥川が創り出した「架空(河童)の社会)」を行き来しているうちに、次第に見分けがつかないまでに『(追い込まれて)逃避』してしまったのかも知れません。芥川龍之介の「河童」には、どうにもならない苦悩と悲哀が見て取れます。
掲載したのは、小穴隆一のスケッチです。

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