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小説・評論

2015年4月24日 (金)

わたしは『芥川龍之介全集(岩波書店昭和2年発刊)』を読み始めました

四月に入ってから、わたしは『芥川龍之介全集(岩波書店昭和2年発刊)』を読み始めました。芥川龍之介が自殺したのが昭和2年ですから、同年刊行の全集になります。何気なく、『河童』を読み返してみたのがこの「作業」の始まりになります。Akutagawa31


「読書家」のわたしは、中学三年生の時に芥川とチェーホフを読んでいました、いや、読んでいたつもりでした。芥川の「河童」を知っているつもりでいたのですが、そうではなかった。これは短編ですが、想っていたほどの『短編』ではありませんし、知っている内容からはほど遠い作品でした。未熟な人間が読むと、このような事態(誤った先入観)に陥る、他の作品も例外ではありません。

Akutagawa3

芥川龍之介の作品がきわめて視覚的で、一読しやすく(ある意味わかりやすく)、それだけにそれだけで終わってしまう。自殺する五ヶ月前に書かれた『河童』には、複雑な心情と単純に過ぎる周辺事情(ストーリ)が織り込まれています。直感に頼った文章でもなく、個人的な事情に傾斜した作品(私小説)でもありません、新たなジャンルに挑戦し、しかも成立していることに驚きました。この頃の芥川龍之介は、精神的に追い込まれた状況にあり・・・読み返し途中ですが、優れた作品も多く、傑出した作家であることに違いない。

2015年3月28日 (土)

芥川龍之介 河童の佇まい

芥川龍之介 河童の佇まい

わたしの最も近い書棚(すぐに手にできる場所)に、芥川龍之介全集が置かれています。この全集は、昭和二年に岩波書店から発刊されています。同年七月二四日が、芥川龍之介の命日(自殺)ですから、編集作業は生前から既に進められていたのかも知れません。
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 久米正雄に宛てたとされる遺書「或旧友へ送る手記」の中では自殺の手段や場所について具体的に書かれ、「僕はこの二年ばかりの間は死ぬことばかり考へつづけた」とあります。死の前日、芥川は室生犀星を訪ねています。しかし、犀星は留守でした。犀星は、「もし私が外出しなかったら、芥川君の話を聞き、自殺を思いとどまらせたかった」と、悔やんでいたという。また直前に、「橋の上ゆ胡瓜なくれは水ひびきすなはち見ゆる禿の頭」と書き残しています。この「禿の頭」、言うまでもなく「河童」のことです。「人間社会(実社会)」と、芥川が創り出した「架空(河童)の社会)」を行き来しているうちに、次第に見分けがつかないまでに『(追い込まれて)逃避』してしまったのかも知れません。芥川龍之介の「河童」には、どうにもならない苦悩と悲哀が見て取れます。
掲載したのは、小穴隆一のスケッチです。